BOYS

Katsuya Tokunaga Atelier Tokyo
Button Boots “BOYS”
1916年のニューヨークの日常を捉えた一枚の写真には、子供が布製のボタンブーツを履く姿が映し出されています。ボタンブーツは1933年頃まで日常的に履かれていたようで、子供用としても広く普及していたことが伺えます。

ボタンブーツといえば、1800年代のヴィクトリア朝時代に、華やかな女性たちが細く美しく履いていたイメージが強いものです。しかし、1910年頃にはより実用的にデザインされ、ファッションアイテムとして確立されていた点は非常に興味深いものです。 “BOYS”は、この一枚の写真をもとに生まれました。
紳士靴にはない、ぽってりとしたフォルムが特徴的で、これは子供靴をモチーフにしているためです。一方で、フォルム以外の要素は、伝統的なゲイターから発展した紳士用ボタンブーツの特徴を忠実に守っています。
たとえば、踵まで続くストレートヴァンプ、パンチドキャップトゥ、レザーソールなどが挙げられます。 このデザインにおいて、ZIPの存在は「邪道」と思われるかもしれません。
確かに、ボタンフックを用いれば、紐靴と変わらずに脱ぎ履きが可能です。しかし、日本の生活環境において、当時の子供たちのようにボタンブーツを日常的に履くことは、やや困難であると考えられます(これが、日本でボタンブーツが普及しなかった一因とも言えるでしょう)。
そこで、この問題を解決するために、実用性の観点からZIPを採用しました。 選ばれたのは、強度と美しさを兼ね備えた YKK EXCELLA®️。スライド時の滑らかな感触にもこだわり、最高品質のものを選定しました。また、引き手部分にはオリジナルのカバーを装着。これは、デザイン性を高めるだけでなく、引く際の操作性を向上させる役割も果たします。
「邪道」とされるパーツを単に隠す無視するのではなく、あらゆる角度からデザインすることで、機能美を極限まで高め、官能的なレベルにまで昇華させることに成功しました。
BOYSは2009年のデビュー以来、幾度かのマイナーチェンジを経て進化を続けてきました。
そして、2025年からスタートするBOYSは、この時代の最高品質のスペックで構築されます。
アッパーには、ドイツ WEINHEIMER社 のBOXCALFを使用。堅牢かつ優美な艶を演出します。 筒部には、イタリア INCAS社 のベビーカーフを採用し、柔らかな履き心地を実現。 そして、それらを熟練の浅草のドレス靴職人たちが、ハンドメイドで一足一足仕上げていきます。
また、漆塗りの茶器をイメージした 朱色の芯の黒烏(カラス)仕上げ を施した美しいソールにもご注目ください。
この仕上げが醸し出す気品と美しさから、MADE IN JAPAN の誇りを感じていただけることでしょう。
このように、歴史的な背景と実用性を兼ね備えたBOYSは、伝統を受け継ぎながらも、現代のライフスタイルに適応した一足へと進化し続けています。
Style : KT-B01
Model : Button Boots “BOYS”
Upper Material : Weinheimer Boxcalf x Incas Calf
Linning Material:KIP LINNING
Out Sole & Heel: Leather
Heel High:28mm
Process:Good year welt process
After Process:Cream and Wax Finish
Size : US 6h - 9h
Price : 180,000 +tax
⚫️THE BOOTS SHOP 東京にて展示・販売いたしております。
今後、THE BOOTS SHOP 名古屋や、取扱店舗様にて販売会も予定しておりますので楽しみにお待ちください。
Katsuya Tokunaga Atelier Tokyo