樋上純 _ 漆皮展
投稿者 :CRAFTBANK- THE BOOTS SHOP on
9月某日
台風一過の暑さも通り過ぎ、少し早めの秋晴れな日曜日。
以前より親交のある 漆皮作家・樋上純 氏 のアトリエへお邪魔してきました。
住宅街の中に佇む静かなアトリエ。
見た目の外観からは想像の付かない古民家のような室内に驚きました。
作品として出している漆皮の器でコーヒーを頂きながら
作品の成り立ちや個展への打ち合わせなど様々なお話をさせて頂きました。
10代の頃より皮革を素材とした作品製作を開始し、
革の加工を様々実験する中で
漆を用いた" 漆皮 / しっぴ "という伝統的な技法を独自の解釈で革に落とし込んだ作品を発表しています。
革で出来ているにも関わらず、水モノにも対応する花器。
一見すると陶器のような器達。
こちらも全て革。
時間と手間を惜しまず、何層にも塗り重ねられた漆は厚みを帯び、
独特のツヤ感と手触りに変化していきます。
汁物や肉料理、鮨など飲食店への卸もおこなっている食器類も。
革と漆の質感がよりはっきりと浮かび上がり、近くで見ると思わず触れてしまいたくなる壁掛けのパネルや小道具入れなど。
また、アトリエの2階では様々な工程作業を見学させて頂きました。
革の知識はあれど、漆 (うるし) 自体はなかなか実際には馴染みのないもの。
靴と同様、吊り込みのような形で整えた原型に、
手作業で漆を塗り、室(ムロ)に入れ乾燥させ、削る。
(厚みや質感を出すための工程も更に様々。)
この時間と手間の掛かる工程を何層も何層も重ね仕上げに至ります。
同じ革を扱う者同士、
作品は違えど 今回の個展は とても親和性のあるものになると思っております。
漆を纏った革は 時間の流れと共に 人が扱い過ごしていく色へと何層にも変化していくもの。
革靴と同じ、日々の変化を慈しんで頂ける作品達です。
ぜひ実際にご覧いただき、見た目だけではなくその手触りや質感、重さ、存在感に触れてみてください。
樋上氏は2日間とも在廊しておりますので、きっと興味深いお話も聞けるかと。
皆様のご来場をお待ちしております。
[ 樋上純 _ 漆皮展 ]
日時:10/22(土)、10/23(日) 13:00-19:00
場所:浅草 THE BOOTS SHOP
内容:樋上氏が今回の個展のために制作した
1点モノの漆皮作品を数多く展示・販売いたします。
樋上氏も在廊しておりますので、
お話を聞きながらゆっくりとご覧ください。
※個展期間中は通常営業も行なっております。
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樋上 純 / Jun Hinoue
大阪府出身。
2009年 金沢美術工芸大学卒業
在学時に皮革を素材とした製作を開始。
その後、都内の工房でオーダーメイドの革製品の製造に携わる。
並行して個人で革の加工を様々実験する中で "漆 / うるし"を用いた作品を製作。
2020年より 漆皮(しっぴ) を独自に解釈した器や皿、花器、小道具入れ、パネル等の作品を発表。
現在は各地で個展の開催や、飲食店への作品提供を行なっている。
https://instagram.com/j_hinoue?igshid=YmMyMTA2M2Y=
ps.
実際の漆の木も見せて頂きました。
これ当日もご覧いただけます。。
さすがにもう気触れないとの事なので触ってみてください。
THE BOOTS SHOP